「現在、社内でリモートワークの導入を検討している」
「新しい取り組みなので、導入に失敗せぬよう慎重に進めたい」
「リモートワークに適したツールや事例を知りたい」
このようにお考えの経営者・人事の方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、失敗しないリモートワーク導入の方法を徹底解説します。
本記事のポイント
- リモートワークのメリットやデメリットがわかる
- リモートワークに役立つツールがわかる
- リモートワークを導入した企業の事例を学べる
働き方改革が叫ばれる現代。多様な働き方の中でも、よく知られているのが「リモートワーク」です。しかし、具体的にどんなメリットがあるのか? デメリットにはどのようなものがあるのか? といった疑問をもっている方も少なくないはず。
実際に自社で導入する前に、まずは今回の内容を参考にしながら、リモートワークへの理解を深めましょう。
もくじ
リモートワークとは? テレワークと何が違う?
リモートワークとは、端的にいうと「在宅勤務」のこと。remote(リモート)とは、日本語で「遠隔」という意味です。自分が属している会社のオフィスではなく、自宅など「どこでも仕事ができる働き方」のことを指します。
リモートワークの発展においては、インターネットの存在が必要不可欠です。現代では、インターネット環境さえ整っていれば、いつでも・どこでも・誰とでもつながることができます。
そんなインターネットの発達にともない、「会社のオフィス以外で働く」という選択が比較的容易になり、リモートワークを認める会社も増えているのです。
また、リモートワークと似た言葉に「テレワーク」があります。tere(テレ)とは、日本語で「離れたところ」という意味です。
日本テレワーク協会によると、テレワークは「情報通信技術(ICT)を活用した、場所や時間にとらわれない働き方」と定義付けられています。意味そのものは「リモートワーク」とほとんど変わりません。
ただ、テレワークという言葉は、日本において30年以上前から使われており、テレワークの方が「言葉の浸透度」は高いといえるでしょう。
とはいえ、最近注目されている「インターネットによる多様な働き方」の観点からいうと、リモートワークの方が馴染みやすいといえるのではないでしょうか。
知っておきたいリモートワークのメリット・デメリット、デメリット対処法
続いて、リモートワークのメリットやデメリットを見ておきましょう。意外なデメリットも潜んでいるので、その対処策も確認しておくのが吉です。
メリット
まずは、リモートワークのメリットを、「従業員」「企業」それぞれの視点から見ていきましょう。
従業員
従業員から見た、リモートワークのメリットは以下のとおり。
- 場所や時間を気にせず働ける
- 個人の工夫次第で生産性アップが可能
- 育児など制約がある人でも在宅勤務ができる
- ラッシュ時間帯での通勤や、スーツ等を着る必要がない
リモートワークでは、働く場所、時間、服装を好きなように決められます。ラッシュ時間帯の通勤や、わざわざスーツを着てオフィスに出社する必要がないため、従業員のストレスも大幅に軽減できるでしょう。
個人の工夫次第では、生産性アップも見込めます。また、育児などで忙しい社員でも無理なく働くことができるでしょう。
企業
企業から見た、リモートワークのメリットは以下のとおり。
- 従業員満足度が上がる
- 組織全体の生産性アップが期待できる
- オフィス維持のコストが削減できる
- 人材の採用ハードルが下がる
リモートワークでは、好きな場所・時間で働けるため、従業員満足度向上が見込めます。従業員満足度が高いということは、「さらに成果を出したい」「もっと良い商品・サービスを生み出したい」と考える従業員が増えるため、会社としての生産性アップも期待できるでしょう。
また、オフィス外での勤務が基本となるため、今までオフィス維持にかかっていたコストも少なからず削減できます。さらに、「リモートワークを認めている会社」として求人をかければ、優秀な人材もより集まりやすくなることでしょう。
デメリット
続いて、リモートワークのデメリットを、「従業員」「企業」それぞれの視点から見ていきましょう。
従業員
従業員から見た、リモートワークのメリットは以下のとおり。
- インターネット環境が常に必要となる
- 同じ空間で働く仲間がいない
- 自己管理ができないと生産性が下がる
リモートワークでは、常に「インターネット環境」のある場所を求めなければなりません。また、好きな場所で働けるということは「同じ空間で働く仲間がいない」ともいえます。そのため、孤独を感じる従業員も少なからず現れてくるでしょう。
加えて、リモートワークは自由度が高いがゆえに、従業員自身がしっかりと自己管理できていないと、かえって生産性が下がってしまいます。
企業
企業から見た、リモートワークのメリットは以下のとおり。
- 従業員同士の「会って話す機会」が減る
- 従業員の会社への帰属意識が下がる可能性も
- 評価が難しくなる
従業員それぞれが別の場所・時間で働くため「会って話す機会」が減ります。そのため、社内でのコミュニケーション量が減り、場合によっては情報伝達における「認識のズレ」が広がる可能性もあるでしょう。
また、従業員がオフィスにいないため、従業員の会社への帰属意識が下がってしまうことも。さらに、従業員が普段どのような行動をしているのか見えないため、上司としては「評価のしづらさ」を感じてしまうかもしれません。
デメリットの対処策
これまでご紹介したように、リモートワークにはメリットもたくさんありますが、デメリットもあります。しかし、あらかじめ対処法を知っていれば、従業員・会社ともに素晴らしい効果が期待できるはず。
企業側の具体的な対処法は下記の通り。
- 社内SNS・チャットツールを導入する
- 評価基準を明確にする
- リモートワークのルールを決める
社内SNS・チャットツールを導入する
リモートワークが中心になると、社内でのコミュニケーション量が減ってしまいます。その対策として「社内SNS・チャットツールの導入」がオススメ。社内SNSとは、LINEやTwitterといった一般向けSNSの「ビジネス版」です。
いいね! やスタンプを送れるチャット機能、チームのメンバーで話し合えるグループ機能、画像や動画・書類ファイルを大量に送れるアップロード機能など、仕事を効率的に進められる機能がそろっています。
社内SNS・チャットツール等を導入することで、実際に会っていなくても、まるで会っているかのようなスムーズなコミュニケーションができるでしょう。
評価基準を明確にする
リモートワークでは、「社員がどれくらい働いているか」「どんな行動をしているのか」が不明瞭になりがちです。そこで、最初から評価基準を明確にしておくのが吉。
リモートワークの評価基準は、業務態度や時間は評価の対象とせず、「成果物」を対象にするのが一般的です。たとえば、上司と部下で直接話しあうことで個人の目標を決め、その達成度合いに応じて評価をする「目標管理制度(MBO)」などの方法があげられます。
リモートワークのルールを決める
好きな場所で働くことができる一方で、「個人の行動が見えづらい」というデメリットがあります。そのため、リモートワークをおこなう上でのルールを決める必要があるでしょう。
たとえば、「仕事開始・終了の報告をする」「週ごとに報告書を作成する」などがあげられます。「誰が」「何をしているのか」がわかるようなルール設定が重要です。
リモートワークにオススメのツール4選
リモートワークのメリットやデメリットがわかったところで、続いて「リモートワークに役立つツール」を見ていきましょう。
ここでは、リモートワークを円滑に進めてくれる「4つのツール」をご紹介します。
【ツール1】Remotty
Remotty(リモティ)は、会議室でのミーティングやデスクでの雑談など、「オフィスでしかできないコミュニケーション」をオンライン化させたツールです。
PCのカメラによって「仮想オフィス」を表現することで、社員同士が顔を合わせたリアルなコミュニケーションができるようになります。
- PCカメラによって「顔を合わせたコミュニケーション」が可能
- タイムライン上で「オフィスでの雑談」のように話せる
- 1クリックで会議が開始
- 「会議室」と称したテレビ会議も可能
- 「入退室タイムバー」によって、いつ入室・退室したかがわかる
まるでオフィスにいるかのような感覚でミーティングができるため、「お互いの情報共有にズレが生まれるのでは…」といった不安も解消されるでしょう。
リモートワークのさらなる円滑化をサポートしてくれるツールです。
【参照】 Remotty
【ツール2】Salesforce
Salesforce(セールスフォース)は、アメリカのカリフォルニアに拠点を構える「Salesforce.com」が運営するサービスです。顧客情報や営業、商談の管理など、顧客関係管理ソリューションを主としています。
【Salesforceの特徴】
- 企業固有のカテゴリーを追加して利用できる「顧客管理」
- 商談の進捗、過去の商談情報の可視化
- 売上達成度の可視化
- 商品情報や価格表の管理
- 販売契約、サービス保守契約など契約情報の記録
顧客管理におけるさまざまな機能がそろうSalesforceは、スタートアップから大企業まで、全世界で15万を超える企業が利用しています。商談の進捗に悩みを抱えている企業にはオススメです。
【ツール3】Googleドキュメント・スプレッドシート
Googleドキュメント・スプレッドシートは、世界最大の検索エンジンサービスを運営する「Google」が提供するサービスです。Googleドキュメントは「文書作成ツール」、Googleスプレッドシートは「表計算ソフト」となっています。どちらもクラウド上での利用が可能です。
【Googleドキュメント・スプレッドシートの特徴】
- 複数人で同時編集ができる
- 「閲覧のみ」「編集」など公開範囲を指定できる
- オフラインでも編集可能
- 無料で使える
Googleドキュメントとスプレッドシートは、それぞれ「クラウド版のWordとExcel」といえるでしょう。自由な閲覧、編集によって、スムーズな情報共有が可能となります。
【参照】 Googleヘルプ | Googleドキュメントの使い方
【参照】 Googleヘルプ | Googleスプレッドシートの使い方
【ツール4】Talknote
4つ目のツールとして、弊社が提供するツール「Talknote(トークノート)」をご紹介させてください。Talknoteは社内SNSで、今では約1,000社の企業様にご利用いただいています。
【社内コミュニケーションツール「Talknote」の特徴】
- スムーズなチャットが可能な「メッセージ機能」
- チームや部署など自由にグループを作成できる「グループ機能」
- 「誰に」「どんな」業務を依頼したのか一目でわかる「タスク機能」
- 社員のアクセス頻度や投稿量を解析する「アクションリズム機能」
- 社員のログイン時間をもとに睡眠時間の検知ができる「オーバーワーク機能」
- 細かいニュアンスを伝えられる「スタンプ機能」
- 好きな投稿・価値ある投稿に「いいね!」ができる「いいね!機能」
上記のように多様な機能が揃っていますが、基本的にはメッセージ、グループ、タスク機能の3つが軸となっているため、SNS慣れしていない方でも簡単にお使いいただけます。
「社内コミュニケーション活性化させて、社員のモチベーションを上げたい」と考えている会社様には、きっとお役に立てるはずです。
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Talknoteの機能やテレワークでの活用例など、デモ画面とともご説明します。
まだ検討段階という方も歓迎ですので、お気軽にご参加下さいませ。
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【事例】リモートワーク導入事例
それでは最後に、リモートワークの導入事例を見ていきましょう。パソコンひとつで、いつでも・どこでも働くことができるリモートワーク。
積極的にリモートワークを取り入れ、成果を上げている会社もたくさんあります。なかでも注目しておきたい事例を2つあげてみたので、ぜひお役立てください。
【事例1】リクルートホールディングス
リクルートホールディングスは、1960年に「大学生向け求人広告」の事業をおこなう会社として創業後、今では販促メディア事業、人材メディア事業、人材派遣事業まで幅広い事業を手がける会社です。
ミッションは、「まだ、ここにない、出会い。より速く、シンプルに、もっと近くに。」。
同社では、2016年にリモートワーク制を導入。大手企業が全社的にリモートワークを本格導入したとして、日本国内でも当時大きなニュースになりました。
同社におけるリモートワークは、自宅はもちろん、カフェやコワーキングなど、自分の好きな場所で働くことが可能です。
【同社におけるリモートワークの特徴】
- すべての社員が対象
- リモートワークの上限日数なし
- リモートワークに必要なパソコンやスマートフォンは会社が支給(セキュリティ面のため)
- 社員が出した「成果」をもとに評価
リモートワークを採用することで、社員の「成果」にこだわり、一人ひとりの生産性向上をはかった事例といえるでしょう。
【参照】 リクルートホールディングス | 上限日数なし・雇用形態にかかわらず全ての従業員を対象としたリモートワークを2016年1月より本格導入 働き方の選択肢を増やし、個の更なる成長と新しい価値の創造につなげる
【事例2】日産自動車
日産自動車は、「人々の生活を豊かに」というビジョンのもと、神奈川県に拠点を置く日本の大手自動車メーカーです。日本国内だけでなく、北アメリカやヨーロッパでも「インフィニティ」という高級車ブランドを展開しています。
同社では、社員の生活にメリハリをつけるべく、2006年より社内でリモートワーク制度を開始。たとえば、家事や育児に忙しい女性社員、介護をおこなう男性社員など、社員の勤務時間に融通を効かせるべく、同制度の導入に踏み切ったそう。
【チームワークが向上したポイント】
- リモートワークでの作業場所は基本的に「自宅」
- 生産工程以外の全社員が対象
- リモートワークは「月5日」「1日8時間」が上限
- リモートワークで働く当日に上司にメールで報告
同社のリモートワークには「月5日まで」と上限はあるものの、仕事以外の負担が大きい社員にとっては重要です。自宅勤務を可能としてことで、社員の負担が軽くなった事例といえるでしょう。
【参照】 日産自動車 | 仕事と生活の両立
【まとめ】リモートワーク導入
本記事では、リモートワークの導入について、以下のポイントを中心にお伝えしてきました。
- リモートワークのメリットやデメリットがわかる
- リモートワークに役立つツールがわかる
- リモートワークを導入する企業の事例を学べる
いざリモートワークを導入する前に、まずはメリットやデメリットを押さえておくことが大切です。また、実際にリモートワークの導入に成功した企業事例を参考にしつつ、自社に合ったツールや導入プランをたてましょう。
導入に成功すれば、さらなる企業成長の一助として、リモートワークが役立ってくれるはずです。