失敗しない、1on1ミーティングの進め方。ツールや事例についても解説 アイキャッチ画像

1on1ミーティングとは、「部下の成長」を主な目的として実施される、上司と部下が対面で話しあう面談のこと。社員のエンゲージメントを向上させるために有効ともいわれており、1on1を導入する企業もじわじわと増えています。

「1on1ミーティングの実施を考えている」
「でも、せっかく導入するなら失敗したくない」
「1on1ミーティングの進め方を知りたい」

このようにお考えの経営者・人事の方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、1on1ミーティングの進め方について詳しく解説します。

本記事のポイント

  • 1on1ミーティングの進め方がわかる
  • 1on1ミーティングの成功事例を学べる
  • 1on1ミーティングに便利なツールを知れる

1on1ミーティングは、その進め方しだいで効果が変わってきます。せっかく1on1を実施するなら、しっかりと効果の出る「正しい進め方」をマスターしておきたいところです。さらなる組織力アップを目指している方は、ぜひ今回の内容を参考にしてみてください。

【重要】1on1ミーティングの目的とは?

それではさっそく、1on1ミーティングにおけるテーマをご紹介しましょう。7つのテーマをご紹介していきますが、目的ごとに分けて解説していきます。(一部、目的をまたぐものもあるかと思います)

1on1ミーティングの進め方を見ていく、その前に。まず確認したいのが「1on1ミーティングの目的」。1on1の目的は組織によってさまざま。大まかに下記のような目的に分類できるでしょう。

  1. 部下育成
  2. 従業員エンゲージメント向上
  3. 公平で公正な人事評価

1on1ミーティングの特徴の一つは短期間で短く実施すること。人事考課のように半年から年に1回のサイクルでおこなうのではなく、週1回〜月1回のサイクルで行われます。このような短いサイクルで、上司は部下とコミュニケーションを多く重ねる中で、業務での悩みを解決したり、会社の方針戦略を理解してもらったりします。

また普段はなかなか聞けないプライベートなことや、健康面についても細かくチェックできます。このような一つひとつのコミュニケーションにより部下の組織に対するエンゲージメントが高まるのです。そして多くのコミュニケーションを取る中で、会社・上司・部下のそれぞれの期待のズレも少なくなっていくでしょう。結果として、評価に対しての認識のズレが起こりづらくなり、公平で公正な人事評価につながるのです。

【本題】1on1ミーティングの進め方

1on1ミーティングの目的を確認したところで、いよいよ実践です。ここでは、1on1ミーティングを「実施前」「実施中」「実施後」に分類し、それぞれのポイントを解説していきます。

実施前

まずは「実施前」のポイントを見ていきましょう。1on1では、上司・部下ともに「準備」をしておくことが大切です。

STEP1. テーマを決める

まずは、テーマを決めましょう。テーマとは「1on1で話したい議題」のこと。たとえば「プライベートの相互理解」や「心身の健康チェック」など、テーマは多岐に渡ります。(テーマについては別途詳細な記事があります)

最近の部下の状態を見ながら「部下が求めているであろうこと」をテーマとして設定しましょう。また、部下にテーマを決めてもらい、部下に1on1の主導権を握らせるのも良しです。15〜30分という時間を有意義に使うためにも、テーマ設定は重要といえるでしょう。

【関連】 【目的別】1on1ミーティングの7つのテーマ。面談の効果の高め方 徹底解説

STEP2. 上司・部下ともに伝えたい内容を考えておく

事前準備が必要なのは上司だけではありません。上司・部下ともに「何でもどうぞ」という姿勢だと、1on1はうまく進まないでしょう。ミーティングを有意義な時間にするためにも、お互い「上司に聞きたいこと」「部下に何を伝えたいこと」を考えておくことが大切です。

実施中

「実施中」のポイントは以下の通りです。とくに「部下の思いを引き出すこと」を意識して話し合いを進めましょう。

STEP3. 部下の話をしっかり聞く

1on1ミーティングは人事考課とは違い、「部下のための時間」となります。そのため、部下の思いに寄り添いながら、しっかりと耳を傾けることを意識しましょう。ただ、先読みのしすぎはNG。部下が事前に話したいテーマを提示してきた場合、「こんな問題を抱えているのではないか」「こんなアドバイスをすれば良いのではないか」など先読みをしすぎて、相手が求めていないアドバイスをしてしまうケースも考えられます。

たしかに、先読み・深読みをすることも大切ですが、まずは「耳を傾けること」を意識してみてください。

STEP4. 「とくに話すことがない」と言われたら質問の仕方を変えてみる

部下に「とくに話すことがありません」と言われることもあるでしょう。そういった場合は、「閉ざされた質問」と「開かれた質問」を使うのがオススメ。

閉ざされた質問(クローズドクエッション)とは?
問いに対して「YES or NO」で答えられる質問のこと。また「どこに住んでいますか?」という質問に対して「札幌です」というように、すでに特定の答えが決まっている質問。答える側は、深く考えずにパッと答えられます。

開かれた質問(オープンクエッション)とは?
問いに対して「自由な回答」を求める質問のこと。答える側には自由に答えられるメリットがある一方で、「自分で考えるクセ」がないと言葉に詰まってしまうデメリットがあります。

1on1で「話すことがない」という部下は、もしかすると「自分の頭で考える習慣がついていない」という可能性も考えられます。その場合、上司の「何でもいいから話して」という質問に対して、部下は回答に詰まってしまうでしょう。

そこでオススメしたいのが、積極的に「閉ざされた質問」を使うということ。まずはYES or NO で答えられる質問からスタートして、徐々に自由に答えてもらう「開かれた質問」にシフトしていくのが良いでしょう。

実施後

続いて「実施後」のポイントを見ていきましょう。ただ1on1ミーティングをして終わるのではなく、振り返りをするのもポイントのひとつです。

STEP5. 上司はミーティング内容を振り返る

1on1ミーティングが終わったら、「部下にとって話しやすい場であったか」「前回と比べて新たな気づきがあったか」など、全体の振り返りをしましょう。実施後すぐに振り返りをおこなうことで、次回の1on1ミーティングの質も向上しやすくなります。

STEP6. PDCAを管理する

1on1ミーティングの「実施中だけ」を振り返るだけでなく、実施前や実施後の一連の流れを振り返ることで「PDCA」を管理しましょう。PDCAとはPlan・Do・Check・Actionの英語の頭文字を取ったもの。つまり「事前準備・実施・振り返り・改善」です。1on1の事前準備から改善までを、記録して見直すことで、次のミーティングに役立ちます。

1on1ミーティングのテーマ

先述したように、1on1ミーティングを有意義にするためには「テーマ設定」が大切です。ここでは、1on1で取り上げたいテーマをいくつかご紹介します。

部下育成を目的とした1on1のテーマ

テーマ1. モチベーション向上

→ (会話例)「仕事で不安はないか?」「今の仕事は向いているか?」

テーマ2. 業務・組織の課題解決

→ (会話例)「仕事内容・人間関係に問題点がないか?それを改善するためには?」

テーマ3. 目標の設定・評価

→(会話例)「長期的・短期的な目標は?」「今後やってみたい仕事は?」

テーマ4. キャリア支援

→ (会話例)「仕事へのやりがいは?」「部下本人の強み・弱みは何か?」「希望するキャリアにはどんなものがあるか?」

従業員エンゲージメント向上を目的とした1on1のテーマ

テーマ5. プライベートの相互理解

→ (会話例)「最近の趣味は?」「好きな食べ物は?」「家族との時間の過ごし方は?」

テーマ6. 心身の健康チェック

→ (会話例)「体調に変化はないか?」「仕事量が過多になっていないか?」「最近眠れているか?」

テーマ7. 会社としての方針・戦略の伝達

→ (会話例)「経営陣が決定した内容」「決定したプロセス」の共有

以上の7つは、「部下の本当の思い」を聞くために有効なテーマです。テーマについて、詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。

【関連】 【目的別】1on1ミーティングの7つのテーマ。面談の効果の高め方 徹底解説

【事例】1on1ミーティング導入企業事例

最近注目されている1on1ミーティングですが、すでに実践している企業はたくさんあります。ここでは「2つの企業事例」をピックアップしているので、ぜひ参考にしてみてください。

1. ヤフー株式会社

ヤフー株式会社は、ポータルサイト「Yahoo!Japan」をはじめ、広告事業やeコマース事業など、幅広い事業を展開する会社。2012年から1on1ミーティングを実施しており、「1on1の先駆け」として知られています。

日本における1on1の先駆けともいわれる同社では、約7,000人の社員のうち90%で1on1ミーティングを実施。また会社全体で、1on1を「部下のための時間」と明確に定義づけ、部下の本当の思いを引き出すために有効な取り組みを数多く実施しています。

【ヤフーにおける1on1ミーティングのポイント】

  • マネージャー陣(上司)がコーチング研修を受け「傾聴スキル」を身につけることで、部下への適切なフィードバックを与えられるようにした
  • 「コミュニケーションは頻度が大事」とし、必ず週1回の1on1ミーティングを実施
  • 1on1ミーティングを定着させるために、上司の1on1を部下が「点数化」する仕組みを導入した

上司がコーチングを学んだり、週1回のペースで1on1を実施したりと、部下の思いを出来るだけ早く汲みとり、解決しようという姿勢が見られます。「部下ファースト」な1on1ミーティングを実践している事例といえるでしょう。

【参照】 ヤフーはなぜ6000人の社員を巻き込む「1on1ミーティング」を続けるのか?

2. クックパッド株式会社

クックパッド株式会社は、「毎日の料理を楽しみにする」というミッションのもと、料理レシピサイト「クックパッド」を運営する会社です。国内では月間約5,400万人がサイトを利用しています。

日本最大の料理レシピサイトを運営する同社ですが、以前まで「個人プレーは得意だけどチームプレーは苦手」という社員が多かったそう。チーム力を向上させるためには、まずは社員一人ひとりの声に耳を傾ける必要があると考え、1on1ミーティングを実施するようになったといいます。

【クックパッドにおける1on1ミーティングのポイント】

  • 週個人・会社が抱える課題を早期解決するため、週1回・15分の1on1を繰り返した
  • エンジニアの仕事に割り込まないよう、あらかじめ「1on1を始める時間・場所」を決めた
  • ミーティングの雰囲気によっては、そのままランチに出かけたり、散歩しながら話したりすることも

短いサイクルで1on1を実施することで「課題解決のスピード」を早め、チーム力向上につながった事例といえるでしょう。

【参照】 週1回×15分でチーム変革!事業を成功に導くクックパッドの振り返り

【紹介】1on1ミーティングに役立つツール

1on1ミーティングは上司が部下全員とおこなうため、時間的負担がかかります。そんな上司の負担を減らすためにも、「ツール」の利用がオススメ。ここでは、1on1に役立つツールをいくつかご紹介します。

Nudge(ナッジ)

1on1ミーティングの支援ツールとして人気を集めている「Nudge(ナッジ)」。部下を「望ましい方向にそっと押す」という方法で、1on1ミーティングをサポートしてくれるツールです。ナッジでは、自己を動機づけている「感情」にフォーカスを当てたアプローチをおこないます。EQ(心の知能指数)測定によって感情を数値化することで、部下本人のモチベーションアップにもつながります。

感情というのは目に見えないもの。部下の感情がわからず、関係にすれ違いが生まれてしまうケースも多々あるかと思います。そういった「上下関係のちぐはぐ」を解消し、部下本人への「新たな気づき」をサポートしてくれるツールといえるでしょう。

【参照】 1on1ミーティング支援ツール[Nudge(ナッジ)] で、EQの高い組織をつくる。

Sharin(シャリン)

1on1ミーティングにおけるメンバーマネジメントを支える「Sharin(シャリン)」。1on1の「記録・管理」に特化したサービスで、ミーティング内容の記録や共有がスムーズにできます。1on1は、上司にとって時間的負担が大きくなるため、「面談内容がうまく活用できていない」「面談内容がバラバラ」といった悩みも生まれます。そういった悩みを解消するため、スケジュール管理はもちろん、面談内容の全記録など、さまざまな機能がそろっています。

パソコンだけでなく、スマホやタブレットにも対応。いつでもどこでも1on1ミーティングの管理が可能です。とくに、抱えているメンバーが多い上司にはオススメ。

【参照】 チーム活性化で会社を強くする | コミュニケーション型人事クラウド「Sharin」

手段を目的とせず、
従業員エンゲージメントを高めよう

本記事では、おもに1on1ミーティングの進め方について解説してきました。しかし、「1on1は手段であり目的ではない」ということを念頭に置いておきましょう。単に「1on1を実施すること」にフォーカスを当て、それで満足しまったとしたら、もしかすると社員の本当の気持ちを引き出せないままかもしれません。

1on1に有効なテーマもいくつかご紹介しました。心身の健康チェック、キャリア支援など… それらを聞くだけで終わらず、「メンバーの本当の気持ちを聞いて、本当の目的を達成すること」にフォーカスするようにしましょう。

従業員エンゲージメントを高めたい、部下の育成をしたいなど、会社によって1on1の目的はさまざまです。会社として本当に達成したい「目的」があるからこそ、1on1ミーティングという「手段」にとらわれることなく、目的達成のためにできることを柔軟に考えていく必要があります。

【まとめ】1on1ミーティングの進め方

本記事では、1on1ミーティングの進め方について、以下のポイントを中心にお伝えしてきました。

【実施前】

  • テーマを決める
  • 上司・部下ともに伝えたい内容を考えておく

【実施中】

  • 部下の話をしっかり聞く
  • 「とくに話すことがない」と言われたら質問の仕方を変える

【実施後】

  • 上司はミーティング内容を振り返る
  • PDCAを管理する

1on1ミーティングに失敗しないためには、実施中だけでなく「実施前の準備」「実施後の振り返り」がカギになります。正直なところ、なかなか大変ではあると思います。しかし、これらを抜きにして1on1を実施しても、一向に問題が解決されず、組織やチームがなかなか前に進まないことも。上司・部下お互いにとって有意義な1on1にするためにも、今回ご紹介した「進め方」を参考にしてみてください。

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