1on1ミーティングの導入企業事例7選。目的、コーチングガイド解説 アイキャッチ画像

1on1ミーティングとは、「部下の成長」を主な目的として実施される、上司と部下が対面で話しあう面談のこと。社員のエンゲージメントを向上させるために有効ともいわれており、1on1を導入する企業もじわじわと増えています。

「1on1ミーティングをこれから導入しようと考えている」
「どんな企業が1on1を導入しているのか知りたい」

このようにお考えの経営者・人事の方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、1on1ミーティングの導入企業について徹底解説します。

本記事のポイント

  • 1on1ミーティングの導入事例がわかる
  • 1on1ミーティングのメリット・デメリットがわかる
  • 1on1ミーティングの「質問のコツ」がわかる

あらかじめ1on1ミーティングの導入事例やコツを知っておけば、社内への浸透もスムーズになるはず。「1on1で自社の風向きをもっと良くしたい」とお考えの方は、ぜひ今回の内容を参考にしてみてください。

【本題】1on1ミーティング導入企業事例

それではさっそく、1on1ミーティングの導入事例を見ていきましょう。1on1ミーティングは、よく知られている大手から最近上場を果たした企業や中小企業まで、幅広い企業・業界で導入されています。

1. ヤフー株式会社

ヤフー株式会社は、ポータルサイト「Yahoo!JAPAN」をはじめ、広告事業やeコマース事業など、幅広い事業を手がける会社。2012年から1on1ミーティングを導入し、その発端企業としても有名です。

日本における「1on1ミーティングの先駆け」ともいわれている同社。社員7,000人のうち9割が1on1ミーティングを受けており、上司の部下に対する「傾聴力の高さ」は参考にすべきといえるでしょう。また同社では、部下の思いを引き出すことを最優先とするべく、1on1を「部下のための時間」と明確に定義づけています。

【ヤフーにおける1on1のポイント】

  • マネージャー陣(上司)がコーチング研修を受けることで「傾聴のスキル」を身につけ、部下に対して適切なフィードバックを与えられるようにした
  • コミュニケーションは「頻度」が重要だと定義づけ、必ず週1回の1on1ミーティングを実施した
  • 1on1ミーティングを定着させるために、部下が上司を「点数化」する仕組みを作った

会社全体で「部下の思い」を最優先に考えることで、質の高い1on1ミーティングを実践している事例といえるでしょう。

【参照】 ヤフーはなぜ6000人の社員を巻き込む「1on1ミーティング」を続けるのか?

2. ソフトバンク・テクノロジー株式会社

ソフトバンク・テクノロジー株式会社は、マイクロソフト事業とセキュリティ事業をメインにおこなうソフトバンクの連結子会社です。ミッションは「情報革命で人々を幸せに ~技術の力で、未来をつくる~」。

同社においても、会社における重要な取り組みとして1on1ミーティングを実施。「風通しの良い企業」を実現するためには、メンバーからの意見を細かく吸い上げる必要があると考え、1on1の導入に踏み切ったそう。

【ソフトバンク・テクノロジーにおける1on1のポイント】

  • 月に1回以上、ライン長とメンバーが1対1で面談をおこなう
  • ライン長は、仕事とプライベート関係なく「メンバーの悩み」を把握する
  • 社員の悩みだけでなく経営理念も浸透させるため、30分間の面談をおこなう

メンバーの仕事の悩みだけでなく、プライベートな悩みにまでフォーカスすることで、風通しの良さを体現している事例です。

【参照】 従業員への取り組み(ソフトバンク・テクノロジー)

3. 株式会社スペースマーケット

株式会社スペースマーケットは、イベントスペースや会議室など、あらゆるスペースを貸し借りできるWebプラットフォームサービスを提供する会社です。ミッションは「チャレンジを生み出し、世の中を面白くする」。

さまざまなレンタルスペースの予約ができる同社では、1on1に対して3つの目的を設定しているそうです。

【1on1の3つの目的】

  • 期待と評価のすり合わせ
  • 成果への支援
  • 成長への支援

1on1を隔週で30分行ない、直属の上司が、部下に適切なフィードバックを与えているため、メンバーの課題解決もスムーズに。

【スペースマーケットにおける1on1のポイント】

  • PDCAを高速化させるべく「週1回・30分」の1on1ミーティングをおこなう
  • 成功点や失敗点をはじめ課題の反省、翌週の課題設定までおこなう
  • 「組織が社員に求めていること」「個人の取り組み」が一致するように、マネージャーが部下の「強み」「弱み」について細かいフィードバックをする

社員の「PDCA」にスピード感をもたせるために、1回のミーティングでさまざまなフィードバックをおこなっている事例です。

【参照】 1on1をより有意義にする3つの目的設定

4. クックパッド株式会社

クックパッド株式会社は、「毎日の料理を楽しみにする」というミッションのもと、料理レシピのコミュニティWebサイト「クックパッド」を運営する会社です。

日本最大の料理レシピサイトを運営するクックパッド。しかし、同社には「個人プレーは得意だけどチームプレーは苦手」という課題があったそう。組織力を高めるためには、まずは社員一人ひとりの「思い」に耳を傾ける必要があると考え、1on1ミーティングを実施するように。

【クックパッドにおける1on1のポイント】

  • 週1回・15分の1on1ミーティングを繰り返したことで、いち早く課題を解決できるようになった
  • 集中力を要するエンジニアの仕事に割り込まないよう、事前に「始める時間・場所」を決めるようにした
  • ミーティングの雰囲気によっては、散歩しながら話したり、ランチに出かけることも

「チームプレーが苦手」という課題解決までのスピードを早めるため、短時間でたくさんの1on1ミーティングをおこなった事例です。

【参照】 週1回×15分でチーム変革!事業を成功に導くクックパッドの振り返り

5. 株式会社テモナ

株式会社テモナは、「ビジネスと暮らしを ”てもなく” する。」という企業理念のもと、クラウド型通販システム事業をおこなう会社。2019年に東証マザーズにも上場した企業でもあります。

同社のCS(カスタマーサポート)チームでは、以前まで離職率が20%近くあったといいます。BtoBの基幹システムを提供していることもあり、一般的なCSチームよりも社員の「業務量」や「精神的ストレス」が多かったそうです。そこで1on1ミーティングを実施することに。

【テモナにおける1on1ミーティングのポイント】

  • CSメンバー8人全員と1時間ずつのミーティングをおこない、現状を細かく把握した
  • 「チームの良い点」「チームの課題点」「その課題は改善可能かどうか?」など明確なアジェンダを用意し、徹底的に話し合った
  • 1年後には離職率が20% → 0%になった

1on1ミーティングによって離職率を下げた事例です。導入から1年後には、「チーム力が高い」「コミュニケーションが活発」と答える社員が80%まで増えたといいます。

【参照】 1年で離職率が20%⇒0%に!CSチームの組織力を高めたヒミツを大公開

6. ロゴスウェア株式会社

ロゴスウェア株式会社は、「インターネットや情報技術を使って革命的進化をもたらすこと。」というミッションのもと、eラーニング事業を提供する会社です。

ラーニングソリューションを提供する同社では、「人事評価の公平さ」と「社員の納得感」を目的に1on1ミーティングを導入。また、メンバーの主体性を重要視したミーティングをおこなっています。

【ロゴスウェアにおける1on1のポイント】

  • 「いつでも・どこでも・誰とでも・何についてでも」1対1で話し合える場づくりを意識
  • メンバー自身が1on1の資料をつくり、自らミーティングを申し込む仕組み
  • 目標設定や進捗報告、フィードバックなど業務におけるさまざまな行動を1on1をもとにおこなう

社員の主体性を軸に、1on1ミーティングをおこなっている企業事例といえるでしょう。

【参照】 人事評価(ロゴスウェア株式会社)

7. グリー株式会社

グリー株式会社は、「インターネットを通じて、世界をより良くする」というミッションのもと、ゲームやメディア、広告など幅広い事業を展開する会社です。

ソーシャルネットワーキングサービスを提供する同社では、「社員の目標と現状のギャップを認識する場」として1on1ミーティングを実施。上司が独自の研修を受けることで、社員にとって1on1が有意義な時間となるような工夫がなされています。

【グリーにおける1on1のポイント】

  • 社員が半期単位で目標設定をおこない、定期的にその達成度合いをはかる
  • 上司だけでなく同僚や部下からの評価を集めた「マルチフィードバック」の実施

社員の目標の達成度合いを明確にするべく、多方面からフィードバックをおこなっている事例です。

【参照】 成長支援制度(グリー株式会社)

1on1ミーティングのメリット、デメリット

続いて、1on1ミーティングのメリットとデメリットを見ていきましょう。

1on1のメリットは?

1on1ミーティングのメリットは以下の通りです。

  1. 部下から上司に相談しやすくなる
  2. 成果への達成レベルを確認できる
  3. チーム全体のパフォーマンスが上がる

上司は、部下が抱えているさまざまな「悩み」を聞けるため、信頼関係が構築できます。また、部下の「自分がどれくらい目標を達成できているか?」という状態に対しても、上司が客観的な評価をしてあげることで、部下の疑問解消や気づきを与えられたりします。

そして1on1で上司が部下一人ひとりと話しあうということは、「全員に対して公平に時間を使っている」とも言い換えられます。公平感は従業員エンゲージメントにもつながり、チーム全体のモチベーションも高まるのです。

1on1のデメリットは?

1on1ミーティングのデメリットは以下の通りです。

  1. 上司の時間的負担が大きい
  2. 効果が見えにくい
  3. 軌道に乗るまでに時間がかかる

15〜30分程度で行われる1on1ミーティング。部下にとっては1回きりの短い時間ですが、上司にとっては部下全員に対して時間を割かねばならないため、負担が大きくなってしまいます。また、1on1はなかなか目に見える効果がないことが、継続のハードルになることも。それにより、「軌道に乗るまでに時間がかかる」ということもデメリットとしてあげられるかと思います。

1on1ミーティングは、軌道に乗るまでにそれなりに時間がかかります。まず1on1ミーティングが全社員に浸透し、メンバー全員が自走できるようになった状態が完全に軌道に乗ったといえるでしょう。1on1ミーティングを「必ず月1回は実施する」と決めて、継続的におこなう必要があります。まずは3ヶ月は継続しましょう。

1on1ではどのような質問をすると
効果的か?

1on1ミーティングを実施する際、その「質問内容」に悩む方も多いのではないでしょうか。短時間で部下の思いを引き出すためには、効果的な質問を投げかける必要があります。しかし「どんな質問をすればいいかわからない…」という場合、以下のような質問をすると良いでしょう。

「最近うれしかったことは?」
→ 部下がどういったことに喜びを感じるのか? を聞くことで、価値観や性格を知る

「最近、何か困っていることはない?」
→ 緊急ではないが部下にとっては重要な課題を聞くことで、本当の思いを知る

「どうして成功/失敗したと思う? そこから何を学んだの?」
→ なぜ成功/失敗したのか考えるキッカケを与えることで、部下の成長につなげる

「やりがいを感じることは?」
→ 仕事観について触れることで、部下が「どんなキャリアを積みたいのか」を知り、そのサポートへとつなげる

以上の質問は、シンプルながらも「部下の本当の思い」を聞くために有効といえるでしょう。いずれかの質問で、部下が思いを語りはじめたらチャンス。部下の話によく耳を傾けながら、深く掘り下げてあげましょう。

【まとめ】1on1ミーティング導入事例

本記事では、1on1ミーティングについて、以下のポイントを中心にお伝えしていきました。

  • 1on1ミーティングの導入事例がわかる
  • 1on1ミーティングのメリット・デメリットがわかる
  • 1on1ミーティングの「質問のコツ」がわかる

ご紹介したように、1on1ミーティングの導入によって従業員エンゲージメント向上、組織の成長につながった企業はたくさんあります。一方、1on1にはメリットもあればデメリットもあるため、両者を踏まえた上で実施する必要があるでしょう。「1on1ミーティングで自社をもっと成長させたい」とお考えの経営者・人事の方は、ぜひ今回の内容をお役立てください。

引き続き、本メディアでは社内エンゲージメント向上に役立つ情報をお届けしていきます。

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