ティール組織とは? 5段階、3要素、事例について徹底解説

ティール組織とは、上司から部下へのマイクロマネジメント(過干渉)がなくても進化し続ける組織のこと。2018年にはティール組織に関する書籍が出版され、「会社に革新を与える組織運営」として、最近になり注目を集めています。

「ティール組織ってどんな組織?」
「言葉は聞いたことある程度。より具体的に知りたい」

この記事はそんな方のための記事です。

本記事のポイント

  • ティール組織の基本的な知識が身につく
  • ティール組織を構成する3つの要素がわかる
  • ティール組織の成功事例がわかる

本記事では、「そもそもティール組織とは何なのか?」といった基本的な知識をはじめ、その構成要素や成功事例など、ティール組織の1から10までを理解できるような内容となっています。会社のさらなる成長をお考えの方は、ぜひ本記事の内容をお役立てください。

ティール組織とは?

以下の本を一つのきっかけとして、世の中に知れ渡った「ティール組織」。

【書籍】 ティール組織-マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現

「読んだことはないけれど言葉は知っている」という方も多いのではないでしょうか。

ティール組織とは、「上司が部下のことを細かく管理しなくても、目的のために成長し続ける組織」のこと。その組織には、社員の一人ひとりが自ら意思決定し、ルールや仕組みを独自に工夫していくという特徴が見られます。

上司が安心感を得るために、部下に対して過干渉してしまうケースが多かった、これまでの組織。それは「部下を信頼していない」と捉えることもできます。部下自身が「できる」と言っても、立場上、上司はなかなか信じ切ることができないのもわかりますよね。

しかし、一方のティール組織では、「上司の部下に対するマイクロマネジメント(過干渉)こそが、組織に悪影響を与えているのではないか?」と提言しています。
ティール組織では「これまでの組織構造の撤廃」を推進
「マイクロマネジメント=悪」と提言しているティール組織。では逆に、どのような組織運営をしていけば良いのでしょうか。

具体的には、社内のヒエラルキー(階層)やルール、売上目標や予算、定期的におこなわれる会議など、これまで当たりまえになっていた慣例を撤廃します。つまり、これまで上司がもっていた「意思決定」や「責任」を社員に委ねるということ。そうすることで、組織や人材に革新的な変化が起こる。これがティール組織だというわけです。

ティール組織までの5段階

組織の進化は、「5つの段階」にわかれます。最終段階であるティール組織を含め、その5つの段階を具体的に解説します。

1.Red(レッド)組織

「衝動型組織」ともいわれるレッド組織。この組織は、今から1万年前に生まれた最古の組織形態です。強い力をもつ個人による恐怖支配が特徴で、今もなおギャングやマフィアといった組織に存在します。メンバーそれぞれが自己中心的な考え方のため、自分以外の人間に対して敵対心をもっているのも特徴。そのため、行動が「短絡的」「衝動的」になりやすいです。

レッド組織のリーダーは、自らがメンバーに与える「恐怖」によって自身を脅威から守ります。一方のメンバーは、自分の身を守るためにリーダー従うのです。

2.Amber(アンバー)組織

「順応型組織」ともいわれるアンバー組織。この組織は、権力や制度、役職といった概念が組み合わさった組織です。個人の階級がピラミッド型になっており、トップが発した内容を下の階級の人たちが実行。またアンバー組織は、物事を成し遂げるためのプロセスを大切にしていることから「長期的な視点」をもっているのも特徴です。

代表例としては「軍隊」があげられます。しかし、他者との競争よりも「階級構造の秩序・ルール」が重要視されるため、変化の多い時代には対応できないデメリットもあります。

3.Orange(オレンジ)組織

「達成型組織」とも称されるオレンジ組織。基本的なヒエラルキー・階級構造を維持したまま、環境の変化に対応できるように発展した組織です。現代における一般的な会社は、オレンジ組織に当てはまります。

階級はピラミッド型となっていますが、「実力主義」を取り入れているため、個人の成果によっては昇進も可能です。また、組織における成果を第一に考えていることから「数値管理」を徹底しているのも特徴。

一方、数値管理によって組織が機械化することで人間らしさが失われるのがデメリット。オレンジ組織の構造は、「ブラック企業」を生み出す要因ともいえるでしょう。

4.Green(グリーン)組織

「多元型組織」といわれるグリーン組織は、オレンジ組織に対して、より「人間らしさ」を追求した組織です。メンバーの主体性を重視しており、経営陣がすべての意思決定をおこなうトップダウン型ではなく、現場の人たちに裁量のある「ボトムアップ型」を採用しています。

またグリーン組織は、組織に属するすべてのメンバーに平等な機会を与えられるよう、さまざまな差別や制限が撤廃されているのも特徴です。

ただし、多様なメンバーが意思決定をおこなうことでプロセスが膨大になり、ビジネスチャンスを逃してしまいやすいのがデメリット。くわえて、多様性は認められているものの、ヒエラルキーは残っているため、経営陣に決定権限のある企業がほとんどです。

5.Teal(ティール)組織

「進化型組織」とも称されるティール組織では、組織を「ひとつの生命体」として捉えます。そうすることで、個人がまるで「体の組織」のように主体的かつ調和的に動きます。権限をもつリーダーが存在せず、現場にいるメンバーがほとんどの決定権をもっているのが特徴です。

つまり、社員が「自主経営」をおこなっているともいえます。それぞれが自分の判断で最適な意思決定を下すため、グリーン組織のように意思決定に膨大な時間を使うこともありません。

ティール組織が完成している企業は、ときに経営陣や上司がいないことも。役職すら存在しないケースもあります。企業にとって必要な予算、そして給与でさえ自分たちで決めるのです。また、ティール組織を維持するためには、会社側が「メンバーを信頼すること」が何よりも重要となります。

ティール組織の3つの要素

ティール組織は「3つの要素」によって構成されています。

1.進化する目的

ティール組織では、組織自体を「ひとつの生命体」として捉えます。我々人間が「なんのために生きるのか?」と考えるのと同様に、ティール組織でも「なんのために進化するのか?」を常に考えるのです。

また、企業そのものを「株主」や「社長の所有物」と考えることは一切ありません。あくまでも組織は生命体であるため、「全員で組織を進化させる」という意識があります。組織が生きているからこそ、進化する目的を有するという発想です。

2.セルフマネジメント

ティール組織では、経営陣や上司からの指示が存在しません。組織を進化させるためにメンバーがお互いに信頼しあい、組織運営をおこないます。そこで重要になるのが「セルフマネジメント」です。

強固なセルフマネジメントを作る方法

セルフマネジメントを強化するためには、メンバーにより多くの裁量が与えられることが重要です。

  • 情報の透明化 → 社内のさまざまな情報をオープンにする
  • 意思決定プロセスの権限のバランス → 個人の意思決定を尊重しつつ、組織全体としてのフィードバックもおこなう
  • 人事プロセスの明確化 → 社長や役員といった権力をもたないよう、採用・退職・給料決定のプロセスを明確にする

セルフマネジメントの構築においては、メンバーの行動や成果が「リアルタイム」で見られることが重要です。そうすることで、メンバー自身が成果や行動を自覚でき、組織の進化につながります。

3.ホールネス

ホールネスとは、メンバーが「ありのままの自分」でいられる環境をつくることです。一般的な組織では、それぞれが取りつくろった自分を演じることで、周りからの期待に応えようとする傾向があるともいわれます。一方、ホールネスが発揮されていると、それぞれの個性やスキルが最大限発揮され、組織としての集団的知性・全体性が発揮されるのです。

ホールネスを高めるためには、意見や感情の違いを利用したトレーニングを実施する。個人が社内のさまざまな仕事にチャレンジできる取り組みをおこなう、など。さまざまな方法があります。

ティール組織の事例

続いて、ティール組織の運営に成功した企業を見ていきましょう。日本国内ではまだ少ないものの、世界規模で見るとティール組織の成功事例はたくさんあります。

1. ザ・モーニング・スター・カンパニー

ザ・モーニング・スター・カンパニーは、アメリカが誇る世界最大のトマト加工会社です。同社が加工するケチャップやトマトソースは、米国シェア30%にもおよびます。社員は約400人で年商は約63億円。

【ティール組織としての特徴】

  • 全社員がマネージャーの役割をもつ
  • 給与・報酬に関するすべての決定権は「社員」
  • 報酬は、合意書とその達成度に応じて他の社員が評価
  • 企業成長に必要だと思ったことを「個人の判断」で実行できる

上記の内容で利益が向上しているという同社。社員自身がミッションを設定し、ミッション達成に向けた行動計画の合意書を作成するそうです。合意書は全社員で共有されるため、個人の主体性やモチベーションも、高い状態をキープできるといいます。

2.ネットプロテクションズ

ネットプロテクションズは、商品が届いた後に支払いの請求書が郵送される「NP後払い」を提供する会社です。ネットショップやカタログなど多くの通信販売にてサービスを提供しています。同社は、日本国内でも数少ないティール組織の運営に成功した会社です。

【ティール組織としての特徴】

  • マネージャー役職の廃止
  • 「働くより話す」をテーマにおいたオフィス空間
  • 情報・人材・予算の采配権限をもつ「カタリスト」という役割の設置
  • 職務の細分化を廃止し「バンド5」と呼ばれる5段階のグレードに移行

同社では、マネージャー役職を廃止することで、メンバー全員が自主経営できるような仕組みに。細分化されていた職務のグレードも、5つだけに絞っています。また「次のアタリマエをつくる」というモットーを掲げており、その実現のために合宿をおこなうなどで「組織の存在追求」を徹底しているそうです。

【用語解説】ティール組織の理解促進に役立つ

最後に、ティール組織の理解を深めるために覚えておきたい用語をご紹介します。

ホラクラシー型組織とは?

ティール組織と同じように注目されているのが「ホラクラシー組織」です。ホラクラシー組織とは、2007年にアメリカのソフトウェア開発会社の創業者ブライアン・ロバートソンが提唱した「上司や部下の関係・社内階層が存在しない組織体制」のことです。

一見、ティール組織と同じように見えるホラクラシー組織ですが、異なる点がいくつかあります。組織運営のほとんどがメンバーの主体的行動に委ねられるティール組織に対して、ホラクラシー組織は「厳密なルール」にのっとり運営されるのが特徴です。

ティール組織では、そもそも上下関係という概念が存在しません。一方のホラクラシー組織では「〇〇をおこなうことで上下関係が解消される」というように、ルールが体系化されているのです。

アジャイル型組織とは?

欧米を中心に注目を集めている「アジャイル型組織」。この組織体型では、トップだけでなく各メンバーに意思決定の権限を分散させた上で、よりスピーディーに商品開発を進めることを重視しています。意思決定の分散についてはティール組織と同じですが、アジャイル組織は「効率性」の実現を目的とした組織です。

アジャイルという言葉には、「俊敏」「機動性のある」といった意味があります。市場やクライアントの要求にすばやく応えるための組織体制といえるでしょう。

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ティール組織のまとめ

本記事では、ティール組織について、以下のようなポイントを中心にお伝えしてきました。

  • ティール組織の基本的な知識がわかる
  • ティール組織を構成する3つの要素がわかる
  • ティール組織の成功事例がわかる

ここ1〜2年で注目を浴びているティール組織は、人類が今まで歩んできた組織プロセスの最終形態ともいえるでしょう。

これまでの組織形態に満足していない経営者・人事の方は、ティール組織のエッセンスを覚えておくことをオススメします。社員に100%の裁量を与えることで、さらなる企業成長が見込めるはず。

引き続き、本メディアでは社内エンゲージメント向上に役立つ情報をお届けしていきます。