ティール組織の事例紹介。海外・日本のティール組織事例 アイキャッチ画像

ティール組織とは、上司のマネジメントを必要せずとも成長し続けられる組織のこと。日本でも「ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現」という一冊の本が話題になり、多くの企業が注目するようになりました。

本記事のポイント

  • ティール組織の概要がわかる
  • ティール組織の海外事例がわかる
  • ティール組織の国内事例がわかる

会社がティール組織化すると、社員のさらなる従業員エンゲージメント向上が見込めます。しかし、ティール組織化成功の難易度は高く、国内・海外ともティール組織の企業はまだまだ少ないのも事実。

今回は、そんなティール組織についての概要や事例をご紹介します。ティール組織への理解を深めるためにも、ぜひ本記事をお役立てください。

【解説】ティール組織とは?

ティール組織とは、「上司が部下のことを細かく管理しなくても、目的のために成長し続ける組織」のこと。社員一人ひとりが自ら意思決定をし、ルールや仕組みを独自に工夫していくという特徴が見られます。

ティール組織の「5段階」とは?

組織の最終段階ともいわれるティール組織。ティール組織に至るまでには「5つの段階」が存在します。

具体的な段階は以下のとおり。

  1. Red(レッド)組織 → 強い力をもつ個人による恐怖支配が特徴の組織
  2. Amber(アンバー)組織 → 権力・制度・役職という概念が組み合わさった組織
  3. Orange(オレンジ)組織 → ヒエラルキーをもちながら「実力主義」を取り入れた組織
  4. Green(グリーン)組織 → 個人の主体性を重視し「より人間らしさ」を追求した組織
  5. Teal(ティール)組織 → 現場にいるメンバーがほとんどの決定権をもつ組織

最初の段階である「レッド組織」が生まれたのは、今から約1万年前。そこから「アンバー組織」「オレンジ組織」「グリーン組織」、そして現代では、最終形態である「ティール組織」が誕生しました。

メンバーがお互いに信頼しきっているため、経営陣や上司、役職といった肩書きがなくても立派に機能するのです。

ティール組織の「3つの要素」とは?

ティール組織は「3つの要素」によって構成されています。具体的な要素は以下のとおりです。

  1. 進化する目的
  2. セルフマネジメント
  3. ホールネス

ティール組織では、組織自体を「ひとつの生命体」として捉えます。我々人間が「なんのために生きるのか?」と考えるのと同様に、ティール組織でも「なんのために進化するのか?」といった「目的」を常に考えるのです。

また「セルフマネジメント」がうまくいっているため、経営陣や上司からの指示がなくても、組織運営が成り立ちます。

さらに、メンバー自身が「ありのままの自分」でいられる環境をつくる「ホールネス」も重要な要素です。ホールネスが発揮されていると、それぞれの個性やスキルが最大限活かされ、組織としての集団的知性・全体性が飛躍的に成長します。

【本題】ティール組織の事例

それでは本題である、ティール組織の事例を見ていきましょう。海外と日本、それぞれのティール組織事例をご紹介します。

海外のティール組織事例

まずは、海外のティール組織事例から見ていきましょう。

ビュートゾルフ

ビュートゾルフは、オランダで「在宅介護支援」に関する活動を積極的におこなう非営利団体です。2006年に誕生した同団体は、提供する新たな在宅介護モデルが注目を集め、今では1万人以上の介護士が活動する巨大組織に成長しました。

そんなビュートゾルフの組織運営の背景にあるのが「ティール組織」です。

【組織としての特徴】

  • マネージャーをもたない「850のチーム」がそれぞれで意思決定をおこなう
  • 各チームに独自の教育予算がある
  • 「定例ミーティングで個人の役割と責任の確認をおこなう」「40〜45チームにつき1人のコーチを配置する」「裁量と責任はすべて各チームに与えられる」など、全部で6つの決まりごとのみで組織を運営している
  • 組織内での学習環境が整っていることから、メンバーの70%が看護師、50%が学士を取得している

組織としての「決まりごと」を最小限に抑えることで、チーム・個人に裁量が最大限与えられるシステムになっています。

細かなマニュアルを決めないからこそ、巨大組織になってもティール組織として成長し続けられている事例といえるでしょう。

【参照】 オランダで急成長を遂げるティール組織、Buurtzorgの驚きの組織運営

ザ・モーニング・スター・カンパニー

ザ・モーニング・スター・カンパニーは、アメリカが誇る世界最大のトマト加工会社です。

同社が加工するケチャップやトマトソースは、米国シェア30%にもおよびます。社員は約400人で年商は約63億円。同社は、ティール組織化させたことで、利益が向上したといいます。

【組織としての特徴】

  • 全社員がマネージャーの役割をもつ
  • 給与・報酬に関するすべての決定権は「社員」がもつ
  • 報酬は、合意書とその達成度に応じて他の社員が評価
  • 企業成長に必要だと思ったことを「個人の判断」で実行できる
  • 社員自身がミッションを設定し、その達成に向けた行動計画の合意書を作成
  • 社員の主体性やモチベーションが高い状態をキープするため、合意書は全社で共有する

社員全員が「マネージャー」という肩書きをもつことで、一人ひとりの仕事への責任感が高まり、企業利益アップにつながった事例といえるでしょう。

【参照】 上下関係も、売上目標も、予算もないのに成長するティール組織の台頭

ザッポス

ザッポスは、アメリカのネバダ州ラスベガスに拠点を構える、靴をメインとしたアパレル販売の通販事業をおこなう会社です。

カスタマーサービスにおける ”神対応” や、 ”常識破りの販売戦略” から、「全米が注目する会社」ともいわれています。

同社では、ティール組織のルールを体系化した「ホラクラシー」を導入。「完全なティール組織」とまではいえないものの、それに近い組織が醸成されているので、ぜひ参考にしておきたいところです。

【組織としての特徴】

  • 社員が発言しやすい職場をつくるため「役職」による階層構造をなくし、自主運営型に切り替えた
  • 組織としての方向性は「リードリンク」と呼ばれる役割に委ねるが、指示や命令をすることは認められない
  • 個人が固定でおこなう仕事「プライマリーロール」を中心に、能力を考慮しながら、異なる仕事にチャレンジすることも可能

ザッポスの組織運営が成す ”顧客ファーストなサービス” に共感したのが世界的企業アマゾンです。ザッポスは2009年にアマゾンの傘下となり、「もっとも働きがいのある会社」に選ばれるなど、今でも成長をし続けています。

【参照】 実務とつなげる経営の新潮流 | ザッポスでのホラクラシーの今とティール組織との繋がりを簡単解説!

パタゴニア

パタゴニアは、アメリカに本社を構える「アウトドア・サーフィン用品」などの製造・販売をおこなう会社です。日本でも親しまれているアウトドアメーカーで、環境に配慮した商品は人気を集めています。

パタゴニアにおける組織運営も、「ティール組織の特徴」が色濃く出ているといえるでしょう。また、「社員をサーフィンに行かせよう!」という経営哲学を掲げていることでも有名です。

【組織としての特徴】

  • 役職は「リーダー層」「マネージャー層」「プレイヤー」の3つ
  • リーダーは「取り組むべき問題」を提示するのみで、それ以降の意思決定はチームに委ねられる
  • 役職は存在するものの、個人が責任をもって働ける職場環境を構築
  • 「良い波が出ているときは社員をサーフィンに送り出す」「ヨガやランニングに出かける社員が多いランチタイムにはミーティングをしない」「環境に関するインターンシップに参加する場合は2ヶ月分の費用を会社が負担する」など、社員に信頼をおいた体制を整備

役職は存在しているものの、社員の主体性のもと組織運営がなされている事例といえるでしょう。また「社員の人生を楽しませる」というエンターテイメント性あふれる取り組みも参考にしたいところ。

【参照】 ナイキ・パタゴニア等に学ぶ、セルフマネジメントを促す組織体制

日本のティール組織事例

続いて、日本のティール組織事例です。まだまだ数は少ないものの、ティール組織を成功させている企業はいくつか存在します。

ネットプロテクションズ

ネットプロテクションズは、商品が届いた後に支払いの請求書が郵送される「NP後払い」を提供する会社です。ネットショップやカタログなど多くの通信販売にてサービスを提供しています。

同社は「次のアタリマエをつくる」というモットーを掲げており、その実現のために「Natura」と呼ばれる人事制度を導入。組織の存在追求を徹底しているそうです。日本国内でも数少ないティール組織の運営に成功した会社といえるでしょう。

【組織としての特徴】

  • マネージャー役職を廃止した
  • 「働くより話す」をテーマにおいたオフィスづくりを徹底
  • 情報・人材・予算の采配権限をもつ「カタリスト」という役割の設置
  • 職務の細分化を廃止し「バンド5」と呼ばれる5段階のグレードに移行

マネージャー役職を廃止することで、メンバー全員が自主経営できるような仕組みづくりを徹底した事例です。

【参照】 【参照】ネットプロテクションズ | ネットプロテクションズ、マネージャー職を撤廃! ティール組織を実現する新しい人事評価制度「Natura」

株式会社ビオトープ

株式会社ビオトープは、「想いをカタチに、取り組みを価値に」という理念のもと、法人向け・個人向けの人材育成事業をおこなう会社です。なかでも、営業・Webコンサルティングに注力しています。

【組織としての特徴】

  • 社員の主体性を重要視したタスクベースのプロジェクトを構成
  • プロジェクトの内容を世間に発信し、それに「共鳴」した人を採用対象に
  • Webミーティングをおこなうことで、社内のつながりを常に「見える化」する

従業員エンゲージメントの高い組織をつくるために、求人の時点で「プロジェクトを公開」するのは特徴的。また、社員の主体性や社内での「横のつながり」を活性化させることで、ティール組織をつくっている事例といえるでしょう。

【参照】 mitsucari | ティール組織の事例紹介!ティール組織を実現した企業の事例について

株式会社ヤッホーブルーイング

株式会社ヤッホーブルーイングは、長野県の軽井沢市に本社を構える「ビール製造メーカー」です。日本のビールに新たな文化を創るべく、「ビールに味を!人生に幸せを!」というミッションのもと活動しています。

【組織としての特徴】

  • 社員全員で意見を出しあい、顧客志向をめざす「頑張れヤッホー文化」という組織文化が定着
  • 社員同士の関係がフラットになっているため「縦横無尽なコミュニケーション」が飛び交う
  • 社員が複数の仕事に関われるため「こんな仕事もあるんだ」と、一人ひとりの価値観が広がる

社員の関係をフラットにしたことで、「若手が発言しにくい」という雰囲気を打ちこわし、社員の価値観を広げるキッカケにもなった事例です。

【参照】 日経ビジネス | [報告] ヤッホーの出射社長に聞くティール組織の作り方

ダイヤモンドメディア株式会社

ダイヤモンドメディア株式会社は、不動産オーナーや仲介業者、管理会社向けITシステムの開発・提供をおこなう会社です。

同社では、ティール組織において理想的な「フラットなコミュニケーション」「給料は自分たちで決める」など「管理しない」マネジメントを実践。多くのメディアから注目されています。

【組織としての特徴】

  • 予算や目標は固定せず、四半期ごとの進捗をみて打つ手を変える
  • 給料は社員同士で「その人の実力に合った妥当な金額」を話しあって決める
  • 社内にゲームや楽器を置くことで「雑談しやすい環境」をつくる

社員が思ったことをすぐに言えるようなオフィスをつくることで、個人のさらなる主体性向上にもつながっているといいます。また、給料を自分たちで決めるというのは、ティール組織における理想像ともいえるでしょう。

【参照】 新刊JP | “管理しない”ティール組織を実践し成長を続ける会社の「給料の決め方」とは?

社内コミュニケーションツール「Talknote」

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【まとめ】ティール組織事例

本記事では、ティール組織について、以下のようなポイントを中心にお伝えしてきました。

  • ティール組織の概要がわかる
  • ティール組織の海外事例がわかる
  • ティール組織の国内事例がわかる

ティール組織は、海外・日本ともにまだまだ数が少ないのが現状です。しかしながら、すでにティール組織として成功している企業はあります。

「自社をティール組織化させたい」とお考えの経営者・人事の方は、ぜひ本記事でご紹介した事例を参考にしながら、ティール組織への理解を深めましょう!