「より良い会社をつくるために、従業員の満足度を高めたい」
「そもそも従業員満足度とは?」
「プロセスや手法、事例など具体的な内容について知りたい」
このようにお考えの経営者・人事の方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、従業員満足度(ES)について徹底解説します。
本記事のポイント
- 従業員満足度の概要がわかる
- 従業員満足度を高める方法がわかる
- 従業員満足度が向上した企業の事例を学べる
従業員満足度は、企業の業績にも大きく影響するため、しっかりと対策をしたいところ。ぜひ本記事の内容を、自社の従業員満足度向上にお役立てください。
もくじ
従業員満足度とは?
従業員満足度とは、文字通り「従業員が会社に対してどのくらい満足しているか?」をあらわす指標です。
Employee Satisfactionの頭文字をとって「ES」と表記されます。従業員に対する「福利厚生」をはじめ「マネジメント」「職場環境」「従業員のモチベーション」など、さまざまな要因によって従業員満足度が決まるのです。
日本においては、従業員満足度よりも「顧客満足度」のほうが広く知られているかと思います。もちろん顧客満足度も絶対に欠かせないものですが、企業成長のためには「従業員が満足して働いているからこそ顧客満足度も上がる」といった考え方が今後ますます重要となるでしょう。
従業員満足度とエンゲージメントの違いとは?
従業員満足度と混同しやすいものとして「従業員エンゲージメント」があります。両者はよく似ている言葉なので、迷ってしまうこともあるかもしれませんが、意味合いは少し異なります。2つの意味は以下のとおり。
- 従業員満足度 → 従業員が会社に対してどれくらい満足しているか?を指す言葉
- 従業員エンゲージメント → 従業員が会社に対して「もっと貢献したい」と思っている状態
つまり、従業員満足度が「単に現在の満足度をあらわす指標」であることに対して、従業員エンゲージメントは「すでに従業員が積極的になっている姿勢」を示しているのです。
どちらも企業の成長にとって重要な概念といえるでしょう。
従業員満足度(ES)と顧客満足度(CS)と業績の関係とは?
先ほども少し触れたように、「従業員満足度(ES)」と「顧客満足度(CS)」、「業績」は密接に関わってきます。
まず、ESとCSが決まる要因を見ておきましょう。
- 従業員満足度 → 業務内容・職場環境・人間関係などによって決まる
- 顧客満足度 → 期待水準(顧客がサービスに期待していた水準)と知覚水準(顧客のサービス利用時に得られた水準)のバランスで決まる
ESとCS、業績の関係については下記の「満足のピラミッド」を覚えておくのが良いでしょう。
総合シンクタンク三菱総合研究所が提唱していた「満足のピラミッド」を元に弊社作成
最終的な結果を「業務向上」とした場合、「従業員満足度」がスタートの位置付けとなります。従業員が会社に対して満足感を覚えることで、モチベーションが上がり、一人ひとりが「より良い商品・サービスを提供しよう」と考えるようになるのです。
それによって個と組織の業務生産性が上がり、社内連携は強化され、顧客満足度が高まり、企業利益アップへとつながるのです。
ESとCS、どちらを先に取り組むべき?
「従業員満足度と顧客満足度はどちらを優先すればいいのか?」
このように疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。結論としては、「従業員満足度(ES)」から取り組むべきといえるでしょう。
なぜならば、顧客満足度ばかりを優先しすぎてしまい従業員満足度をおざなりにすると、中長期的には顧客満足度も低下してしまうと考えられるからです。
そして、経営陣にとっては、顧客より従業員の方が「接点」が多いです。従業員に対する待遇や態度など、従業員満足度を軽視した経営をおこなっていると、当然従業員のパフォーマンスも下がってしまいます。
従業員がネガティブな感情を抱えたまま働いていると、それが顧客にも伝わってしまう可能性が高いのです。
企業に利益をもたらしてくれるのは「従業員」に他なりません。ですのでまずは「従業員は今の業務内容や待遇に満足しているか?」「チームや人間関係に問題を抱えていないか?」など、従業員の目線に立って中長期を見通す経営をおこなうことが大切ではないでしょうか。
従業員満足度(ES)を高める4つの方法
さてそれでは、この章では、従業員満足度を高める「4つの方法」をご紹介していきます。
方法1. 社内コミュニケーションの活性化
従業員満足度向上のカギとなるのが「社内コミュニケーション」です。
社内でのコミュニケーション量が少なく、オフィスの雰囲気が重い、若手従業員が発言しにくい、といった抱えている企業の声を聞くことがあります。まず、この雰囲気を打開しないかぎり、従業員の満足度は高まらないでしょう。
そんな社内コミュニケーションを活性化させるための方法はいくつかありますが、その一つとして「社内SNS」が有効です。チャット機能をはじめグループ機能、タスク管理機能、スタンプ機能など、社内でのコミュニケーションを円滑化してくれます。
また「フリーアドレス制」もオススメ。従業員自身の固定席を設けず、どこでも自由に働ける空間にすることで、他チームや他部署の人と話せるようになり、社内のコミュニケーションが円滑になるのです。
【関連】 【事例あり】社内コミュニケーション活性化の方法について
方法2. 目標を「数値化」する
従業員個人やチームとしての目標を「数値化」させるのも一つの手です。目標が抽象的だと、「何をもって達成されたのか?」が不明瞭になってしまいます。
目標をわかりやすく「数値化」しておけば、それを達成したときに正当な評価を受けやすくなります。その結果、従業員の目標達成へのモチベーションが高まり、従業員満足度向上にもつながってくるといえるでしょう。
方法3. 従業員の意見を積極的に採用する
従業員のモチベーションが上がるひとつの要因として「責任範囲の拡大」があります。従業員の意見を積極的に採用することで、従業員も「提案したからには頑張らなければ…!」という気持ちになり、仕事へのやりがいが増すのです。
最終的な経営判断をおこなうのは経営幹部です。しかし、かといって従業員の声を軽視しては、従業員満足度の低下を招いてしまいます。とはいえ、すべての意見を採用するのも難しいので、「これは良い!」と思うものは積極的に採用するのが良いでしょう。
方法4. 福利厚生を充実させる
従業員満足度の向上において、単純かつもっとも効果があるのは「福利厚生の充実」といえるでしょう。なぜなら、従業員にとって「目に見える利益」といえるから。福利厚生が充実することで、満足度向上につながります。
なかでも代表的な福利厚生は「住宅・家賃補助」「食堂・昼食補助」などです。家計の中でも、家賃や食費は大きな割合を占めます。衣食住の補助を受けられるというのは、従業員としても高い満足度を感じられるのです。
従業員満足度(ES)アンケート調査の流れ、ポイント
従業員満足度(ES)は、アンケート調査によって測ることが可能です。ここでは、実際にアンケート調査をおこなう際の流れ・ポイントをご紹介します。
従業員満足度(ES)アンケート調査の流れ
まずは、ざっくりとしたアンケートの流れから見ていきましょう。
- アンケートの目的を定める
- 質問項目を作る
- 回答を依頼する
- 回答を集計する
- データを分析する
- 課題に対する対策を立てる
- 報告・フィードバックを受ける
- 課題への対策の準備
1. アンケートの目的を定める
目的を定めずにアンケートをおこなうと、「アンケートを実施すること」自体が目的化してしまう可能性があります。課題発見や対策へとつながりづらくなるため、「従業員の満足度を高める」「新しい人事施策を実施する」など、自社としての目的をまずきちんと設定しましょう。
2. 質問項目を作る
アンケートの目的にしたがって、適切な「質問項目」をつくります。ただ、いざ質問を作りはじめると「あれもこれも聞きたい」と余計な質問をつくりがちに。あくまでも「目的達成のためのアンケート」であることを念頭に置きながら質問を考えましょう。
3. 回答を依頼する
従業員にアンケートの回答を依頼します。ただ、何も説明せずにいきなりアンケートを実施するのはNG。
「何を目的にアンケートをおこなうのか」「どのように回答すれば良いのか」が不明瞭だと回答率が下がってしまうため、従業員に対してきちんと事前説明をおこなうのが吉です。
4. 回答を集計する
回答が終了したら、アンケートの集計をおこないます。とくに従業員数の多い企業の場合、集計作業に時間がかかってしまうため、効率化のためのツールを使うのがオススメ。コスト等を踏まえながら、効率的に集計作業をおこないましょう。
5. データを分析する
次にデータ分析です。回答を見ながら、とくに「現状うまくいっていること」と「改善すべきこと」の2つを洗い出しましょう。
6. 課題に対する対策を立てる
データ分析で明確になった課題に対する対策を考えましょう。アンケートの実施目的を踏まえながら、「個人」「チーム」「組織全体」といった枠組みごとに対策を立てるのがオススメです。
7. 報告・フィードバックをする
アンケートで得られた結果を幹部陣に報告しましょう。幹部陣への報告では、アンケート結果の「良かった点」「悪かった点」「今後の課題」を説明します。従業員に対しても、おおまかな結果を伝えましょう。
8. 対策の準備
最後に対策に向けた準備・実行へと進みます。また、1〜8までに長い時間が経過していると、従業員のモチベーションや意識が変化してしまうため、出来るだけ早く対策の準備までたどりつけるようにしましょう。
従業員満足度(ES)アンケート調査の4つのポイント
ただアンケートをおこなうだけでは、課題改善への効果は薄くなってしまいます。より早くゴールにたどりつくためにも、以下のポイントを意識してみてください。
- 目的を明確化する
- 質問は多くしすぎない
- 回答者が特定されないようにする
- 経営陣の求める回答に合わせない
従業員満足度(ES)調査において「目的の明確化」は非常に大切です。全社的なアンケート実施には手間や時間がかかります。出来るだけ効率的にアンケートを実施するためにも「なぜ調査をおこなうのか?」という目的はハッキリさせておいた方が良いでしょう。
また「せっかくのアンケートだから抜け漏れがないようにしたい」という考えから、質問を作りすぎてしまうことも。そうなると本来の目的から遠ざかり、従業員の回答への意欲を下げてしまいかねないので要注意。
あわせて、質問の作成時には、従業員の本音を聞き出すために、回答者が特定されないようなどの工夫もしましょう。
また、アンケート本来の目的に反して「こんな回答がほしい」「従業員のネガティブな回答を避けたい」といった、経営陣の求めるアンケートになってしまうことがあります。これでは意味がないため、経営陣の考えに寄りすぎないようにしましょう。
従業員満足度(ES)調査アンケートテンプレート
いざ従業員満足度(ES)調査をしようと思っても、「具体的にどんなアンケートをとれば良いかわからない…」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな方は、ぜひ以下のテンプレートを参考にしてみてください。
【テンプレート】 従業員満足度(ES)調査アンケート(Googleフォームで作成)
従業員満足度の向上事例3選
最後に、従業員満足度の向上事例を見ていきましょう。ここでは、弊社が提供する社内SNS「Talknote(トークノート)」の導入によって、従業員満足度が高まった企業の事例をピックアップ。ぜひ自社の従業員満足度向上にもお役立てください。
【事例1】メーキュー株式会社
メーキュー株式会社は、「おいしさ楽しくMAKE for YOU」のコンセプトのもと、愛知県を中心に学校給食・病院給食・社員食堂・福祉施設向け食事サービスなどを手がける会社です。
同社は1960年に創業されたこともあり、「紙面」「メール」という昔ながらの情報伝達が根付いていたといいます。それが社内コミュニケーションの阻害要因となり、とくに若手社員にとっては働きにくい雰囲気だったそう。
そのような社内コミュニケーションの現状を改善するべく全社員に「Talknote」を導入することに。
【従業員満足度向上のポイント】
- 事業所間の情報共有がスムーズになったことで社員のストレスが減り、生産性が向上した
- いいね!を贈り合う「承認文化」が根付いたことで、社員の仕事に対する満足度・モチベーションが高まった
- 内定者にもチャット上で社内の様子を共有することで、会社のことがわかった上で入社してもらえるようになった
若手からベテランまで幅広い社員が在籍している同社。思い切ってTalknoteを導入したところ、社員の満足度が上がり、事業所間はもちろん内定者のモチベーション向上にまで成功した事例といえるのではないでしょうか。
【参照】 [活用事例] メーキュー株式会社
【事例2】株式会社フロジャポン
株式会社フロジャポンは、ケーキやタルト・焼菓子・洋惣菜を販売する「フロ プレステージュ パリ」を展開する会社です。元々フランスで創業された同社は、今では国内114店舗にまで拡大しています。
本社から店舗への連絡手段は「電話」「全店舗に一斉に送る通達文書」だけだったという同社。
さらに、本社と店舗のあいだにエリアマネジャーをはさんでいたため「店舗に情報がなかなか伝わらない」「認識に行き違い生まれる」といった問題があり、社員のモチベーション低下にもつながっていたといいます。
そんな問題を解消すべく「Talknote」を導入することに。
【従業員満足度向上のポイント】
- 情報共有の「リアルタイム化」によって、店舗スタッフのストレスが軽減し、モチベーションが向上した
- 店舗スタッフの細かい意見も共有できるようになり、経営方針の改善につながった
- コミュニケーションが円滑になったことで店長会議の数が減り、業務効率が上がった
情報伝達がスムーズになったことで経営陣と店舗スタッフとの「認識のズレ」がなくなり、社員が満足して働けるようになった事例といえるでしょう。
【参照】 [活用事例] 株式会社フロジャポン
【事例3】株式会社ヴィエリス
株式会社ヴィエリスは、「すべての女性をもっとキレイに」を経営理念に、国内43の全身脱毛サロンを展開する会社です。業界No.1の口コミ数を誇り、多くのタレントやモデルからも支持を集めています。
以前まで、情報共有ツールとして「LINE」を利用していた同社。しかし、「公私混同してしまう」「情報が流れてしまう」といった課題があったようです。これらが社員のエンゲージメント低下にもつながりかねないと考えた同社は、「Talknote」の導入を開始。
【従業員満足度向上のポイント】
- アクションリズム解析など優れた機能によって、いち早く社員をケアできるようになった
- 社員同士の「褒め合う文化」の形成により、社内全体のモチベーションが向上した
- 業務の修正と改善がスムーズになたことで、社員が余裕をもって働けるようになった
ツールの「スピーディーな情報共有」「承認欲求を満たす機能」によって業務効率が上がり、従業員満足度が高まった事例といえるでしょう。
【参照】 [活用事例] 株式会社ヴィエリス
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【従業員満足度向上にも効果的!社内SNS製品紹介】社内コミュニケーションツール「Talknote」
社内コミュニケーションツールとして、弊社が提供している社内コミュニケーションツール「Talknote」をご紹介させてください。Talknoteは、社内コミュニケーションの解決をはじめ企業理念の浸透、業務の効率化を期待できます。
使い方はいたってシンプル。Talknoteは「グループ」「メッセージ」「タスク」の3つの機能のみで構成されているため、SNS慣れしていない方でも簡単にお使いいただけます。その利便性から、すでに約1,000社の企業様に利用いただき、多くの企業様が高い満足度を感じています。
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【まとめ】従業員満足度について
本記事では、従業員満足度について、以下のポイントを中心にお伝えしてきました。
- 従業員満足度の概要がわかる
- 従業員満足度を高める方法がわかる
- 従業員満足度が向上した企業の事例を学べる
ご紹介したように、従業員満足度(ES)は、企業の業績にも大きく関わってきます。そのため、できるだけ早く着手するのが吉といえるでしょう。
「顧客満足度」ももちろん大切ですが、「従業員」にもしっかりと目を向けてみてはいかがでしょうか。従業員の満足度にフォーカスすることは、中長期的に企業利益の向上にもつながるはずです。